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  • 2013.08.11 Sunday
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本が過去と今をつなげる

 
あまりの懐かしさに涙がでそうだ。

私の愛読書に「神様のカルテ」「神様のカルテ2」がある。
神様のカルテ3も絶賛発売中である)

これが私の愛読書たる所以はその出会いにある、と言いたい。


思えば、もう何ヶ月前のことだろう・・・
高校受験を控え、将来に苦悩する自分が居た。そして、暖かい場所と言葉をくれる人が居た。
図書室、というのはあの時の自分にとって様々な出会いをもたらすかけがえのない時間であり、場所だった。

夏休みという受験生にとっては勝負の時期を終え、学力は実際かなり上がっていた。まわりも自分も、真剣に高校受験に乗り出したのもこの時期だった。
志はあった。胸に熱い想いも持っていた。いくら塾が特種な環境であっても、それは決して「劣悪」ではない。
確かに私の塾の思い出は散々なものだが、今思うと、学ぶべきものはそこにあった。
ただ学ぶことのできない自分がいて、環境に適応できずにいた。

最大の原因は「志望校」である。
中学の2年間、文字通り遊びに遊んだ。そして突如として目の前に現れる高校の2文字。
たった1年で自分の将来を方向付けろと言うのか、それは中学3年生にとって難題である。
英語は人並み以上、他はドベ。
英語ができるから、というだけでICU、都立国際、・・という選択肢が浮かんだ。しかし、英語がただ好きというだけで入れる学校などありはしないのだ。
模試や塾、もういやというほど自分の実力のなさを実感していたのに、皮肉にも受験は迫っていた。心中、きがきではない。
都立、都立、都立
「都立」で検索エンジンにかけて探しまくり、自分の実力に合い、制服のない学校を選んだ。
今考えれば、まったく最低の落ち度だ。こうなっては人間としてダメだ。

しかし、行きたい学校など(明星以外)ない。

明星は好きだった。でも、自分でも明星という選択肢は今までやってきたことに対する「逃げ」に思えてしかたなかった。

そりゃ、留学を考えれば、いや英語をやるなら「都立国際」がいいに決まっている。しかし・・しかし・・決めきれない。必死で国際より明星がいいと言える理由(いいわけ)を考えていた。
都立国際は最終的に(11月くらい?)第1志望に選んだ。実際、行きたくないと言えば嘘になる。だけれども、自分の至らなさが情けなくて、勉強すらできなかった。
結局、最後までこのわだかまりは消えなかった。

9月14日の出来事は、まだそこまで苦悩していたわけじゃなく、都立国際も目指そうと思える志もあったころ、だけど明星への未練もあった。
(なぜかと言えば、図書室に幾度に明星に行きたいと思い、塾に行けば都立に行かねばと思う、塾と図書室は私にとって対局の環境でありながらどちらも正しいから私の思考は混線を極めた。)
今でこそ、明星でもなく、国際でもなく、我が道を行くことこそが正しい選択肢なのだと分かったが、その時の私には高校という意味もなく巨大な壁しか頭になかった。

兎に角自分には勉強ができない。

それは言うまでもない事実であった。受験生でありながら、塾の宿題すらまともにできない。家で時間と場所はあっても勉強がどうしても手につかない。
こんな有様の自分が情けなくて、自分を責め続けた。
そして、その時の私にとって図書室でY先生とA先生の言葉、明星へ進学した先輩達の言葉、かつての恩師の言葉は全て、癒しであり、希望でした。

この場をかりて、私に取って最も尊敬に値するこの方々に深く感謝いたします。

もちろん、いつの日か、会ってお礼を言いたいです。



9月14日、図書室で最後までA先生と談話して18時30に学校を出た。
そして、色々あったのだが、足がBOOKOFFに向かった。何やら本でも読みたい気分だった。
その時に買ったのが「神様のカルテ」だった。

途方もない感動と悔しさと愛情と叫び、涙なしにどの章も読み通せなかった。
「人として生きること」
「誰かに癒され、また誰かを愛すこと」
「自分の道を貫くこと」
「死」
「別れ」
作品を通して、多くを学んだ。

受験期、どれほどこの一冊に癒されただろうか。
授業と授業の間、塾での10分間の休憩は私に取って苦痛でしかなかった。
狭い教室に見ず知らずの人達(しかも自分とまったく違う種類の)がぎゅぎゅづめになって、あるものは漢字の予習、女の子はかたまって世間話、ちらほら2、3人の男子がかたまって何かゴソゴソ話してる。
この疎外感というのか、なんなのか、、
居場所がないとはこのことだろう。
トイレに行って10分間つぶすこともしばしば。
でもこの本と出会ってからは、そんな休憩時間でも、全く別世界に行くことができた。
何度、教室で怒りや涙をこらえたことか(苦笑)

2巻が文庫化されたのは冬期講習の時だったか。

この頃にはもう、勉強に対する免疫ができて、何の意味もなさない怠惰な作業を苦痛としない精神力が出来上がっていた。塾では講師達が、口を揃えて一流志向を唱える、夏はそんな謳い文句に心躍らせたが、冬になってもうどうでもよくなっていた。
悩んでも悩んでも実力はつかないし、志望校も決まらない。どん底といばどん底。
そんな煩悩を少しでも振り切ろうと勉強をする。
もはや何のための勉強だか・・
でも冬期講習は毎日密かな楽しみがあった。
昼ごはん代、600円の300円を毎朝消費してスタバに通っていたのだ。
なるほど、場所が変わればこんなにも気分、晴れ晴れするものかと感心した。おかげで幾分ストレスも減ったかな。
駅の地下にあるスターバックスに毎日通い、そこから塾に行き、帰りもスタバを通る。スタバのすぐ近くには本やもあり、帰りはそこにちょっと寄るのも楽しみだった。
ある日、本屋にいると唐突に目に入ってきたのはあの愛読書、「神様のカルテ」の続編であった。いや、その時すでに3巻も発売されていたのだが、2巻がその時ようやく文庫化して店頭に出ていた。
迷うすべなどみじんもない。即購入。

もう野暮な感想は必要ないだろう。

1巻につづき2巻も3回通読して、物語の隅から隅まで味わった。今でも、コーヒーを淹れ、休憩時間に読みたい箇所を開けばたちまち入り込んでしまう。

ストーリーの展開は知っていても、その1行1行、1文字1文字に一喜一憂してしまう。
私にとってかけがえの2冊です。


私に言葉を下さった方々とともに、この本にも深く感謝したいと思います。

では、おやすみなさい。

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